top of page
  • 執筆者の写真静岡県伊東市 かねこ行政書士事務所

終活とは何か?

更新日:2020年3月2日

近年TVや雑誌などのメディアにおいて、「終活」という言葉を頻繁に目にするようになりました。

シニア市場の広まりからか、マスコミやその周辺の業界がそこに商機を嗅ぎ取り、露出を増やしているものと想像してしまいます。

週刊誌の見出しには毎週と言っていいほど取り上げられ、皆さんの中には既に食傷気味になっている方も多いことでしょう。


そんな状況ではありますが、スルーしてしまうには勿体ないと、私は考えています。



そもそも「終活」とは、何でしょう?

あまりにも頻繁に耳にするようになっているため、改めて自分事として考えている人は、少ないのではないでしょうか?


「終活」と聞いてまず頭に浮かぶのは、「エンディングノート」の準備をしたり、「遺言」を書いたりすることだと思います。

その他にも葬儀社の会員になったり、お墓の準備をしたりすることを、思い浮かべる方もいると思います。

また財産整理や子供、孫への生前贈与など、お金にまつわることを、真っ先に思い浮かべる方もいらっしゃるでしょう。


確かにある程度の年齢に達した場合、これらのことはとても重要なことではあります。

しかしこれらのことは<現象面>に過ぎないと、言い切らせていただきます。

その前に、そしてそれらの中心には、ご本人の人生があることを、決して忘れてはいけません。


本来の「終活」の意義とは、「自分の半生を振り返り、今後の死に至るまでの人生をより充実したものにするための手続き」であると、私は考えています。


・行きたかったが行けないでいる場所(旅行)

・やりたかったが始められていない事

・対策を整えておくべき事柄

・身の回りの見直し

・病や死、老いの訪れに対する自分の考え方

・今まで貫いてきた信念


このような事柄に関して思いを巡らせ、悔いの残らない人生を送るために<今後の課題>を発見することにこそ、本当の意義があると確信します。

過去の振り返りから始め、忘れていたことや諦めていたこと、チャレンジしていなかったことなどを洗い出し、今後の課題を定めていく楽しい作業が終活の本来の姿です。

死を意識することで、逆により一層今が輝き出すという事実に、異論を唱える方はいないと思います。



「終活」とは<死を迎えるための準備>ではなく、<今を輝かせるための作業>であることを、理解していただきたいのです。

今後の人生をより魅力的なものにするため、楽しみながら「終活」を行っていきましょう。

閲覧数:8回0件のコメント

最新記事

すべて表示

死後事務委任契約とは

子供や配偶者など自分の死後を託せる親族がいなければ、自分の死後の手続に関して、多少なりとも不安を感じるのは当然の事でしょう。 自分の葬儀、埋葬、そのほかの死後の後始末は、成年後見人や遺言執行者では対応ができません。 成年後見は、被後見人が死亡すれば契約が終了します。また遺言執行者は、遺言の内容を実現することだけしかできません。 つまり自分の死後の様々な面倒を見てもらうためには、死後事務の内容や費用

尊厳死宣言書を作る理由

「尊厳死宣言書」とは、どんな文書なのでしょうか? 完治する見込みのない病気などで、最期の瞬間が迫っているときなどに、過度な延命治療をせず自然な死を迎えたいという思いを、家族や医療関係者に伝えるための文書です。 法的拘束力はありませんが、例えば延命治療について自分と異なる意見を持つ家族がいる場合、公的な文書を残しておくことで明確な自分の思いを伝えることができます。 法的拘束力はないとは言え、本人の希

なぜ遺言を書いておいた方が良いのか

「子供がいない」とか、「前婚の相手との間に子供がいる」とか、「内縁関係のパートナーに財産を残したい」などの事情がある方は、真剣に対策を考え遺言の準備をしている事と思います。 しかし特別な事情がない人にとって、遺言は不要不急なツールなのでしょうか? 相続財産の大半が不動産だと言うケースは、一般にかなり多いと思います。そのような状況の時こそ、遺言を作成しておくことが、後の争いの回避関して大変有効になり

bottom of page