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「旅館業申請・民泊届出」の落とし穴

目次
①宿泊事業の形態整理

①  隣接するマンション管理組合の干渉

 


いつものように事務所の電話がなり、電話に出ると、いつもの通り旅館業(簡易宿所)申請のお問い合わせでした。
 電話口で概略をお聞きしたところ、引っかかりそうな点は特に見当たりません。当事務所の料金体系と申請の流れをご説明して、ご依頼をいただきました。

 通常当事務所では、ご依頼をいただいた際には、まずご契約を結び、同時に事前調査費(着手金)をご請求させていただきます。そしてお支払いが確認できた後、業務に着手する段取りを取らせていただいております。
今回のご依頼者様は遠方の方で、リモートによる本人確認をさせていただき、契約書とご請求書は後日郵送させていただきました。
その後、事前調査費の入金が確認できたため、現地を訪問いたしました。山の上の方に立つ、非常に眺めの良い中古の一軒家で、眼下には海を見下ろす絶景の立地でした。
現地を見には行ったときはリフォームの真最中で、部屋の区切り程度の見当しかつきません。浴室も大掛かりなリフォームをするようで、浴槽は撤去され、壁も床もはがされて、浴室はほぼ更地の状態でした。改装後はどれほど豪華な設備になるか、完成が楽しみに思えました。ただそのため、当日は客室の計測ができず、簡単に物件の内外を確認するにとどまりました。
当該物件の隣には戸建ての家屋があり、その隣には大型のリゾートマンションが建っています。おそらくそのマンションからの眺めは、さらに素晴らしいものであると容易に想像できました。


大規模リフォームの終了が見えてくるまでは、数か月を要しました。そろそろ目途がつく段になり、予想もしなかった問題が露見しました。
一見関係なさそうに見えた隣のリゾートマンションが、実は当該戸建てと関係があり、登記簿上は普通の一軒家である当該物件にも、リゾートマンションの規約が及ぶということが判明しました。そしてその規約では、宿泊施設の運営を禁止する条項が定められています。ご依頼者様にとって、寝耳に水の話でした。不動産を仲介した会社からは、旅館業が可能と聞いており、そのため購入したそうです。
ご依頼者様は当初、当事者による話し合いでの解決を希望されましたが、うまく進みませんでした。
不動産を仲介した会社の説明が違っていたこともあり、最終的に弁護士を入れての交渉を選択されました。

交渉を継続しながらも、一方では代替手段として、宿泊業以外での、例えばご自身での別荘使用も含めて方向転換も模索されていました。

私の方にも、旅館業許可申請を一時見合わせるよう、ご依頼者様から要請が入りました。


この事例のように、立地や登記簿からは、推測できない事情が存在する場合があります。別の回で書きますが、別荘地によっては、非常に厳しい規約が存在し、例外的に条件の合う宿泊業者のみを許可しているところもあります。物件購入の段階では、見分けるのがなかなか難しいケースがあるようです。別荘地内で既に貸別荘を経営している物件があれば、旅館業許可の取得に障害が無いものと、普通は思うのではないでしょうか。しかし、そうではない事例も確実に存在します。
十分な裏取りをして、慎重に検討を重ねることが、許可申請の重要なスタート地点となります。

 

➁宿泊事業に関連する法令について
③貸別荘経営1(簡易宿所)
④貸別荘経営2(住宅宿泊事業法)
⑤簡易宿所と民泊の比較
⑥<考察>宿泊業経営の多角化
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