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遺言の書き方 Ⅰ <自筆遺言の法的要件>

September 5, 2018

遺言は、民法に定められる<要式行為>です。

民法960条には「遺言は、この法律に定める方式に従わなければ、することができない。」と、定められています。

遺言は本人の死後、その効力を生じます。その時には、その遺言の真偽あるいは真意を確認する事はできません。その為、厳格な要式が定められているのです。

 

遺言ができるのは、満15歳に達している者です。(民961)

成年被後見人についても、正常の精神状態に戻っているときは、どの方式によっても遺言が可能であると定められています。しかしその場合は、医師2人以上の立会いが必要となります。(民973)

 

遺言の内容は原則自由ですが、遺留分による制限があります。

また公序良俗に反する内容は、無効となります。

 

まず遺言の方式ですが、「自筆証書」、「公正証書」、「秘密証書」の普通方式3種類と、特別方式4種類の合計7種類あります。(民967)

一般に多く利用されているものは、「自筆証書」と「公正証書」になります。

その中でも今回は、「自筆遺言証書」についての解説を行います。

 

自筆遺言証書の法的要件は、民法968条に定められています。

そのポイントは、次の通りです。

 

①自書

「自書」とは遺言者自らが手書きをする事を言い、ワープロ等で書くことは認められていません。

筆跡により、本人が書いたものと判断する事が出来るためです。

仮に何らかの理由により字が書けない人は、他の方式で遺言するしかありません。

 

②日付

一般に日付は、年月日で示されるのが普通です。

しかし「還暦の日」であるとか、「定年退職の日」など、日付が特定できる表現であれば、必ずしも年月日で示されている必要はありません。

だだし「平成30年9月吉日」など、日付が特定できないような書き方では、要件を満たしません。

 

③氏名

遺言者が誰であるのかを特定するためのものであるため、本名(戸籍上の名前)でなくとも構いません。

例えばペンネームや芸名などでも、本人が誰であるかが分かる範囲であれば構いません。

遺言者が特定できるなら、姓または名のどちらか一方でも有効です。

 

 

④押印

遺言書への押印と言うと、つい実印と思いがちかと思われます。しかし遺言書に押す印鑑は、必ずしも実印である必要はありません。

認印でも良いですし、それだけではなく拇印や指印でも認められます。

 

 

⑤加除訂正の方法

他人による遺言書の改ざん防止の観点から、加除訂正の方法は厳格に定められています。

条文には「自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。」(民968②)とあります。

 

加除訂正に必要が生じた場合は、書き直す方が無難です。

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