終活 Ⅰ   <認知症に備える>

August 8, 2018

2024年には日本人の3人に1人が65歳以上になり、6人に1人が75歳以上になると言われています。(「未来の年表」河合雅司 著 講談社現代新書より)

 

高齢化の進行と聞くと、認知症を懸念される人も多いのではないでしょうか?

 

認知症については、内閣府の「平成29年度版高齢社会白書」に、ショッキングな予測が報告されています。

有病率が上昇した場合など一定の条件下ではありますが、2025年には65歳以上の5人に1人が認知症になると推計されています。

 

平均寿命が延びている中この数字は、私たちの心に重くのしかかってきます。

65歳以上の人の認知症の割合が20%という予測の前では、リスク要因の一つとして、認知症に対する対応を考慮せざるを得ないと考えます。

 

あたかも交通事故や成人病に対するように、1リスク要因として冷静に受け止め、可能性として対応を準備する必要がある。

そのように感じるのは、私だけでしょうか?

 

 

それでは認知症にそなえるためには、何を考えておくべきなのか?

「後見」と「介護」について、具体的に見ていきましょう。

 

 

①後見

 

このブログでも以前、「後見」について取り上げていますので、詳しい内容に興味を持たれた方は、以前の記事を参照してください。

 

 

さて認知症になると、法律行為が制限されます。

それを助け・補うのが、後見制度です。

 

後見制度には、「法定後見」と「任意後見」の2種類があります。

 

両者の決定的な違いは、「法定後見」が判断能力が低下してから(家庭裁判所に申し立てをして)後見人を選任すること。

一方「任意後見」は、本人の判断能力が低下する前に、任意の後見人を予約する制度だという事です。

法定後見の場合には後見人になる人物を裁判所が選ぶため、必ずしも申請者の希望が通るわけではありません。

最近の事例では、現金財産が一定額以上ある場合は、専門職(弁護士・司法書士・社会福祉士・行政書士など)が受任することが多くなっています。

 

被後見人の財産は後見人によって管理され、1年に1度、家庭裁判所へ報告がなされます。

また不動産等の処分は、家庭裁判所が厳格に判断します。

 

任意後見は判断能力のある人が、将来にそなえて自分が選んだ後見人との間で、公正証書により将来の後見を契約するものです。

従って、自分で後見人を選ぶことができます。

また後見人の権限の範囲は、契約によって自由に定めることが可能です。

 

後見についてどのように考えるか、これは終活の大きなテーマの一つになります。

最近では「家族信託」という方法も、注目を集めています。

「家族信託」とは、家族などと公正証書による契約を結び、財産を信託する制度です。

 

任意後見と家族信託は、本人の判断能力が十分であることが前提となります。

逆に言えば認知症になってしまうと、選択肢は法定後見のみです。

 

法定後見・任意後見それぞれにメリット・デメリットがあるため、その選択は終活を進めるうえで大きなテーマとなります。

納得のいく検討を、十分に重ねることをお勧めします。

 

 

②介護について

 

介護サービスは「居宅サービス」と「施設サービス」に分かれます。

居宅サービスと施設サービスを比べると、費用の面では、一般的に施設サービスの方が多く掛かります。

一方、介護にあたる同居者の負担に関しては、施設サービスの方がはるかに軽いものとなります。

 

また施設サービスも、公的な「特別養護老人ホーム」や、民間の運営する「グループホーム」、「有料老人ホーム」など、さまざまな種類があり料金にも幅があります。

 

自身の財産、年金額、家族の状況などにより、総合的に判断する事が必要です。

予算を念頭に置いて情報を集め、可能であれば実際に見ておくことお勧めします。

 

その上で、納得のいく施設が費用のかかるところであれば、入居資金の準備(財産の処分)などを、前もってやっておく方が良い場合もあります。

この場合にも認知症になってからでは、選択肢の幅が非常に狭くなります。

家族への負担を考えたとき、早めのリサーチが重要になるゆえんです。

 

 

「転ばぬ先の杖」

 

元気なうちに<自分事>として、しっかりと考えておく事をお勧めします。

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