遺言 Ⅳ

May 31, 2018

公正証書遺言については、民法969条1項から5項に厳格に規定されています。

簡単に内容を概観すると、次の通りです。

 

公証役場において、遺言者が遺言の内容を口頭で公証人に伝えます。(この行為を「口授」と言います。)

次に公証人が、その内容を筆記します。

筆記が済むと今度は、公証人が筆記した遺言を遺言者及び、証人(2名以上)に読み聞かせ、又は閲覧させ、遺言者及び証人が筆記が正確であることを承認し、各自これに署名、押印します。

最後に公証人が、その証書が定められた方式に従って作成された旨を付記して、署名押印して完成となります。

 

 

民法の定めはこのようになっていますが、実際には前もって公証人と遺言の内容の打ち合わせを済ませ、作成当日に遺言者及び証人の前で読み上げ、承認をするという流れが一般的に行われています。

 

その際に、行政書士などの専門家は、一連の進行のお手伝いをさせて頂くことが可能です。

 

 

公証人や2名以上の証人など、公正証書遺言には、登場人物が多くなります。

加えて手数もかかりますので、どうしてもハードルが高く感じられることと思います。

さてそんな公正証書遺言のメリットとは、どんな所にあるのでしょうか?

 

メリットの1番目としては、<専門家が関与するため形式の不備や文言の不明等の恐れが少ない>と言う点が挙げられるでしょう。

そして同じくらい重要なメリットとして、<遺言書が公証役場に保管されるため、紛失や改ざんの恐れがない>点も挙げられます。

他には、<遺言の自書ができない人も作成が可能(自筆遺言証書では「自書」が必須条件)>です。

また<家庭裁判所の検認が不要>であることも、残された遺族にはメリットの一つと言えるでしょう。

 

それでは逆に「デメリットは?」問われると、<費用が発生する>ことや、<手続が面倒>であること、<公証人、証人に内容が知られてしまう>ことなどが挙げられます。

しかしこれらメリットとデメリットとを比較すると、メリットがデメリットを凌駕するものと思われます。

 

最後に1999年の民法改正により、969条の2として、「方式の特則」が定められたことを付け加えておきます。

 

内容を一言で申し上げると、障害者への配慮がなされた方式が採用されるに至った、と言う事です。

 

・口がきけない者に関する通訳人の通訳、あるいは自書を用いることで口授に代える(1項)

 

・遺言者または証人が耳が聞こえない者である場合には、筆記した内容を通訳人の通訳により伝えることで、公証人が読み聞かせることに代えられる(2項)

 

 

 

公正証書遺言は費用や手間が掛りはしますが、後々の信頼感を得ることができる点は、大いに考慮すべきことです。

 

専門家が、公正証書遺言をお勧めする所以がそこにあります。

Share on Facebook
Share on Twitter
Please reload

特集記事

法の目的を理解するため、まずは第1条の法文を確認してみましょう。

「(第1条)この法律は、善良の風俗と清浄な風俗環境を保持し、及び少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため、風俗営業及び性風俗関連特殊営業について、営業時間、営業区域等を制限し、及び年少者をこれらの営業所に立ち入らせること等を規制...

風俗営業適正化法とは(風営法①)

December 6, 2018

1/10
Please reload

最新記事

December 20, 2019

December 14, 2019