①デジタル遺品とは
皆さんは「デジタル遺品」という言葉を、お聞きになったことはあるでしょうか?
私のブログでも何度か取り上げていますので、そちらを読んでいただいた方もいるでしょう。
あらためて、「デジタル遺品」とは何か?と言う事を、簡単にご説明します。
デジタル遺品とは、一つにはPCやスマートフォン、外付けハードディスクやUSBメモリ、DVD等の外部記憶メディアなどに保存されたデータ事です。
もう一つは、web上のストレージ(DropboxやEvernote、他にもGoogleドライブなどが代表的です)、SNS(Facebook、Twitter、Instagram等)、それに自身が所有するホームページやブログなどweb上のデータを指します。
普段は便利に使っていて、すでに空気のような存在になり、すっかり日常生活に浸透していることと思います。
しかしこれらのデータは主人を失った瞬間、適切な処置を施さない限り、その姿を正確に保ったまま残り続けます。
それまで「デジタル資産」であったものが、その瞬間「デジタル遺品」に変わります。
「人に見られたくないデータ」、あるいは逆に「伝えたいデータ」など、自分の死後、自分の意思でデータを処置できるように準備しておく事が大事です。
デジタル遺品の処置に関する準備の重要性は、誰にも容易に想像する事ができると思います。
②どんな事に気を付けるのか?
データに関しては<削除する>のか<残す>のか、その分類は自分にしかできません。
大きく分類してどちらに属するデータか、それをいつも意識しておく事は、普段の心がけとして大事なことです。
またSNSやホームページ、ブログ等についても、死後の扱いを家族に伝えてないと、残された家族の判断は辛く厳しいものになるでしょう。
最近はネット銀行やネット証券も、多く利用されています。
手数料の安さや手軽さ、利便性などの理由から、口座を開設している方も多いと思います。
ネット銀行やネット証券は通帳等がないため、後々見落とされる可能性もあります。
最低限どこに口座を持っているかを、一覧表にしておくことは有効なことです。
③対策は?
「伝えるべきデータ」と「削除するデータ」を区別して、別々の記憶媒体に保存しておく。
そうする事によって、データの適切な処置の実行が期待できます。
ただし「削除するデータ」は、自分でマメに消しておく必要があります。
(もし不可能であれば、守秘義務のある専門家に相談してください。)
SNSやホームページ、ブログ、webのストレージなどについては、IDとパスワードの記録を残しておきます。
その上で、個々にどのようにして欲しいのかを、書き残しておくことをお勧めします。
自分の意思を書き残しておく事は、残される家族の心の負担を軽減します。
それから気を付けたいのが、メルカリやYahoo!オークション、または自己が開設した物販のホームページなどです。
注文を受けたまま放置されているような事態に陥いらないよう、これらへの対応も忘れてはいけません。
さらに詳しく知りたい方は、当事務所で監修をした次の記事(2018/7/19)もご覧ください。
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