日本は既に超高齢社会を迎えていますが、「高齢化問題」の根の深さは「人口問題」とセットで現れるところにあります。
日本の人口構成において数が減少しているのは、ご存知の通り若年層世代です。
若年層の人口減少は、将来に渡る更なる少子化を招きます。子供を産める世代の人口減少がマイナスのスパイラルを形成し、その後の人口減少を加速度的に進める要因になります。
逆に言えば、人口回復を実現するためには、女性の生涯出産人数が劇的に増加する必要があります。
一方、「高齢化社会の到来」は、医療費の増加や認知症への対応などの、深刻な社会問題を招く恐れがあります。
そのような見通しについて数字を使ってリアルに解説したのが、2017年に出版され話題になった「未来の年表」(河合雅司 著;講談社現代新書)という本です。
本の中で示されるショッキングな問題提起を、近未来の項目を中心に目次から引用します。(すべて日本の事です)
(以下、「未来の年表」(河合雅司 著;講談社現代新書)の目次より引用)
2020年 女性の2人に1人が50歳以上に
2024年 3人に1人が65歳以上の「超・高齢者大国へ」
2026年 認知症患者が700万人規模に(高齢者の5人に1人が認知症患者に)
2033年 全国の住宅の3戸に1戸が空き家になる
2040年 自治体の半数が消滅の危機に
(引用終了)
「2024年の超・高齢化大国へ」については、一般に「2025年問題」と言われています。
しかし団塊の世代全員が75歳以上に到達するのは、実際には2024年の事です。
つまり「2025年問題」は、現実には1年前の2024年に発生します。
様々なシミュレーションの手法があるとは思いますが、一つの予測としてこれらの項目を見たとき、ぞっとするのは私だけではないでしょう。
今後20年余りの間に想像もつかないような高齢社会が、我々の目の前に姿を現します。
総務省の「人口推計」(2017年6月1日現在)によると、2017年における日本の高齢化率(総人口における65歳以上の割合)は、既に27.6%にも上っています。
国家的視点で捉えたときに「高齢化社会の到来」は、重要課題であることは今更言うまでもないでしょう。
一方、個人の立場で高齢化問題を考えたときに一番悩ましいのは、「認知症」の問題ではないでしょうか?
「未来の年表」においても、2026年には認知症患者が700万人を数えるという予測が出ています。別の表現をすると、「高齢者の5人に1人が認知症患者となる」という言い方ができます。
高齢者の20%という確率は、ガンや成人病などと同等以上のレベルで、積極的に危機管理すべきレベルであると私は考えます。
ガンや成人病に関しては多くの人が、様々な予防や健康管理、万が一の場合の保険など、具体的な対策を講じているかと思われます。
同様に認知症に関しても、不安に思うだけではなくより積極的な対応を練る、つまり認知症に備えてどんな準備を済ませ、また認知症になってしまった時の対応をどうするか?そういった準備を整えておくことは、誰にも等しく必要であると考えます。
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