• 静岡県伊東市 かねこ行政書士事務所

終活の準備(その1)

最終更新: 2020年3月11日

~エンディングノートを手に取る前に~



実際にエンディングノートに取り組む前に、「終活」の準備について確認していきましょう。



まず真っ先に考えるべきは、「誰に託すのか?」と言うことです。

エンディングノートを作成する目的は、書くこと自体ではなく、遺志を継ぎ自分の思いを実現してもらうことにあります。

そのために自分の信頼できる人、そしてまた自分を理解してくれる人に託すことが、重要になります。


信頼できる人が自分の周りにいる場合は、その人に話をしてみてください。

自分の思いを話す中で、相手も自分を心配してくれていることが分かれば、信頼の絆もより深いものになるでしょう。

あくまでも自分の気持ちや感覚といったものを大切にして選び、理詰めで選ぶのはやめましょう。

また自分の周りに適任者が思い浮かばないという方も、少なくないと思います。

そんな場合は、行政書士などの専門職と<任意後見契約>を結び、将来の不安解消のパートナーとすることも選択肢の一つになります。

その場合もきちんと相手の人柄を見て、気持ちの合う人や、考え方の方向が同じ人を選んでください。


託す相手を選びつつ、同時にエンディングノートの用意も少しずつ始めます。



エンディングノートのメインテーマは、将来に対する不安や心配事を整理し、その対策を考えることです。

その観点から記録すべきポイント挙げると、次の通りです。


・思い出の整理(自分史・家族や友人へのメッセージ)

・物の扱い(写真・日記・コレクション・PCやスマートフォンの処理)

・財産管理や身の回りの世話(認知症になった場合の対応、ペットについて)

・介護について(施設や介護方法の希望)

・終末医療の意思表示(延命治療について)

・葬儀やお墓に関すること(誰に知らせて欲しいか、葬儀の形式、墓のスタイル)

・相続について(遺言書の作成)


これらのポイントは更に、①ノートにまとめ自分の思いを正確に伝えれば済む項目、②公正証書などの契約書を用意すべき項目の他に、③遺言の作成が必要になる項目、などに分かれます。

それぞれの項目の特性に沿った対応をすることが、大変重要になります。



繰り返しますが、エンディングノートを書く一番の目的は、「課題の洗い出しと不安の除去」です。

日常生活を送る中で、何となく心に引っかかること、心配な問題、不安な状況などを、まずは洗い出し、一つずつ対策を立て将来の不安を消していきます。


エンディングノートも遺言も、生きている間は何度でも書き直しが可能です。

状況に変化があれば、その部分を書き直し、バージョンアップをして行くことができます。

最悪なのは、心配や不安を感じながら気づかないふりをして、あるいは面倒だと後回しにして、日々を何となく過ごしてしまうことです。



不安や心配を目の前に並べて整理してみると、それだけで案外気持ちが落ち着くものです。

落ち着いた気持ちで将来の設計を静かに考えることは、心の中に安心を生む作業となって行くはずです。

そしてそれは、しだいに楽しみに変わってくることと確信します。

2回の閲覧0件のコメント

最新記事

すべて表示

死後事務委任契約とは

子供や配偶者など自分の死後を託せる親族がいなければ、自分の死後の手続に関して、多少なりとも不安を感じるのは当然の事でしょう。 自分の葬儀、埋葬、そのほかの死後の後始末は、成年後見人や遺言執行者では対応ができません。 成年後見は、被後見人が死亡すれば契約が終了します。また遺言執行者は、遺言の内容を実現することだけしかできません。 つまり自分の死後の様々な面倒を見てもらうためには、死後事務の内容や費用

尊厳死宣言書を作る理由

「尊厳死宣言書」とは、どんな文書なのでしょうか? 完治する見込みのない病気などで、最期の瞬間が迫っているときなどに、過度な延命治療をせず自然な死を迎えたいという思いを、家族や医療関係者に伝えるための文書です。 法的拘束力はありませんが、例えば延命治療について自分と異なる意見を持つ家族がいる場合、公的な文書を残しておくことで明確な自分の思いを伝えることができます。 法的拘束力はないとは言え、本人の希

なぜ遺言を書いておいた方が良いのか

「子供がいない」とか、「前婚の相手との間に子供がいる」とか、「内縁関係のパートナーに財産を残したい」などの事情がある方は、真剣に対策を考え遺言の準備をしている事と思います。 しかし特別な事情がない人にとって、遺言は不要不急なツールなのでしょうか? 相続財産の大半が不動産だと言うケースは、一般にかなり多いと思います。そのような状況の時こそ、遺言を作成しておくことが、後の争いの回避関して大変有効になり