近年TVや雑誌などのメディアにおいて、「終活」という言葉を頻繁に目にするようになりました。
シニア市場の広まりからか、マスコミやその周辺の業界がそこに商機を嗅ぎ取り、露出を増やしているものと想像してしまいます。
週刊誌の見出しには毎週と言っていいほど取り上げられ、皆さんの中には既に食傷気味になっている方も多いことでしょう。
そんな状況ではありますが、スルーしてしまうには勿体ないと、私は考えています。
そもそも「終活」とは、何でしょう?
あまりにも頻繁に耳にするようになっているため、改めて自分事として考えている人は、少ないのではないでしょうか?
「終活」と聞いてまず頭に浮かぶのは、「エンディングノート」の準備をしたり、「遺言」を書いたりすることだと思います。
その他にも葬儀社の会員になったり、お墓の準備をしたりすることを、思い浮かべる方もいると思います。
また財産整理や子供、孫への生前贈与など、お金にまつわることを、真っ先に思い浮かべる方もいらっしゃるでしょう。
確かにある程度の年齢に達した場合、これらのことはとても重要なことではあります。
しかしこれらのことは<現象面>に過ぎないと、言い切らせていただきます。
その前に、そしてそれらの中心には、ご本人の人生があることを、決して忘れてはいけません。
本来の「終活」の意義とは、「自分の半生を振り返り、今後の死に至るまでの人生をより充実したものにするための手続き」であると、私は考えています。
・行きたかったが行けないでいる場所(旅行)
・やりたかったが始められていない事
・対策を整えておくべき事柄
・身の回りの見直し
・病や死、老いの訪れに対する自分の考え方
・今まで貫いてきた信念
このような事柄に関して思いを巡らせ、悔いの残らない人生を送るために<今後の課題>を発見することにこそ、本当の意義があると確信します。
過去の振り返りから始め、忘れていたことや諦めていたこと、チャレンジしていなかったことなどを洗い出し、今後の課題を定めていく楽しい作業が終活の本来の姿です。
死を意識することで、逆により一層今が輝き出すという事実に、異論を唱える方はいないと思います。
「終活」とは<死を迎えるための準備>ではなく、<今を輝かせるための作業>であることを、理解していただきたいのです。
今後の人生をより魅力的なものにするため、楽しみながら「終活」を行っていきましょう。
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