(令和5年10月26日 伊豆新聞)
熱海保健所管轄での旅館業申請の受付が、今年は凄い勢いで伸びているそうです。
伊豆新聞様(令和5年10月26日)の記事によりますと、平年では年間50件程度の受付件数であるところ、本年は10月13日現在で累計130件にも達しているそうです。
この旅館業申請増加のトレンドは、当事務所に於きましても、肌で感じているところです。
実際、当事務所で受けた旅館業の申請及び住宅宿泊事業法(民泊)届出のお問い合わせ件数は、以前に比べ非常に増加しています。
その中でも大多数を占めるのが、伊豆新聞様の記事にもある様に、貸別荘のスタートアップのご相談になります。
記事にもある通り、相続した物件の活用として貸別荘業の起業を行う方もいる一方で、新規に物件を取得され参入してくる方も多くいらっしゃいます。
コロナの最中から、伊豆高原の不動産には割安感が出てきたようで、物件取得のコストが手頃になり、資金回収のハードルが下がったことが影響しているように思われます。
実際、伊豆高原界隈の不動産屋さんからは、「ミニバブル」と言うワードがちらほら聞かれ、それほど物件の動きは活発なようです。
また割安感が出ているの別荘だけでなく、中古ペンション、元保養所、ホテルなどの中型~大型物件も同様です。
そのため旅館業申請の「旅館・ホテル」に該当する部屋数の多い物件も、動きが活発になっているようです。
そして開業数が増えれば、当然の事として競争が激化します。
私が申請のお手伝いをする中でも、漠然と営業許可を取得し、その後の集客戦略を描いてなかったり、施設の付加価値創造に投資をしていない場合には、思うような集客が実現できていない方もいるようです。
物件購入直後に訪れた時には内装の老朽化が目立ち、もともと贅沢な造りであるのに、その本来の良さを感じられない物件は多数あります。
しかしリフォームが完了して、申請準備のため再訪すると、見違えるようなお洒落な空間に仕上がっていて驚かされることが多くあります。
最近はビリヤード台やバー仕様のカウンターなど、洗練された空間演出が多々見られます。
リビングのプロジェクターと大型スクリーンなどは、標準設備のごとく多くの施設で設置されています。
また庭にウッドデッキを造作して、そこにサウナゾーンを作る施設も増えています。
バレルサウナやテントサウナを設置し、専用シャワーも完備して、脇には水風呂用の大きなバスタブを配置します。
庭に関して言えば、ここ数年の傾向として、花木をめでる庭ではなく、ローメンテ(雑草が生えない仕様)の庭にBBQ炉を設置する仕様が増えています。
そうは言っても、庭・家ともほとんど手を加えず、自分たちが使っている環境のまま、貸別荘経営をされているお客様もいます。
私おのお客様の中で、何も手を加えず開業し、週末を中心に順調に予約を集めている方がいらっしゃいます。
こちらの物件には、今どきのオシャレな設備はありません。
しかしもともと、屋根付きの大きなバルコニーがありました。
このバルコニーでBBQを行うのですが、屋根があるため天候に左右されず、いつでもBBQが可能であることが、お客様の心に刺さるようです。
このように追加投資をせずに、成功している例もございます。
結論としては、別荘経営を成功に導くのは、お客様の心に刺さる付加価値の提供と、集客戦略に尽きるのではないかと感じています。
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