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執筆者の写真静岡県伊東市 かねこ行政書士事務所

墓について(~その1~)

<様々な納骨のスタイル>

先祖代々のお墓があり、そのお墓を守っている立場であれば、一見何も心配がないように思えます。しかし現代にあっては、家族を取り巻く環境の変化により、事態が複雑になってきています。

先祖代々のお墓があったとしても遠く離れた故郷にあり、墓参りもままならない状況であれば、自分たちがいなくなった後、果たして子供たちに託すことができるでしょうか?

それ以前に、自分達も年を取り体が不自由になれば、今まで程には墓参りに行けないかもしれません。

加齢とともに故郷のお墓参りが縁遠くなり、墓参り自体が中々に決心の要る仕事になっているかもしれません。

一方でお墓を持っていない人は、現代の多様な散骨スタイルを前にして、墓地選び以前に散骨スタイルの選択に迷う事と思います。

そしていずれの場合においても、一番大事でかつ最初に決めなくてはならないのは、「誰に墓守(供養)を任せるか?」と言う事です。

現代社会にあっては、単純に長男あるいは長女に継承させる訳には行かない事情もあります。

長男・長女が海外に住んでいる場合もあるでしょう、また国内に家を持っていても遠方に住んでいることもありえます。

仮に近隣に住んでいても、子供の方にはその気がないかもしれません。

子供の中で誰を祭祀継承者にするのか、まずはそれを決めることから始めましょう。

そしして託す子供が決まったら、本人と十分に話し合っておきましょう。

また子供がいない場合は、夫婦で、もしくは一人で墓(供養)をどうするのか、しっかりと決めておく必要があります。

納骨の方法についても、祭祀継承者や墓の問題を考慮した上で、決めざるを得ません。

お墓に入る事を選んだ場合には、先祖代々のお墓に入るのか、それとも継承不要の永代供養墓を選ぶのか、さらに選択肢が分かれることになります。

永代供養墓は、基本的に継承者不要です。

寺院や公営・民営墓地では、合葬墓、共同墓などと呼ばれる墓です。

合葬とは言っても、規定の年数の間は個人別に納骨され、そのあとは合祀すると言う方式もあります。

最近では納骨堂も、交通の便の良い都心の真ん中に建つものがあります。

また設備面でも、自動搬送式、ロッカー式、仏壇式など、一昔前では想像もつかなかったような形式を用意する納骨堂も多くあります。

また少し変わったところでは海洋散骨や樹木葬墓地などが、最近人気を集めています。

家族に精神的・経済的負担をかけたくない、という思いが背景にあっての選択と思われます。

ほかにも「空中散骨(宇宙葬)」、「手元供養(遺骨を加工して指輪やペンダントにしたり、置物に入れる。)」など、目新しい供養は多岐に渡っています。

インターネット上にお墓(サイバーストーン)を作るという、より合理的な供養も行われています。

費用の問題もありますが、自分たちがどんな供養を望むのか、そして祭祀継承者が居るか、また誰にするのか、確認すべきポイントはいくつかあります。

考えがまとまったら、実際に現地を見学することも大事です。

墓の問題についても、元気なうちの準備が欠かせません。

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