<介護保険のあらまし>
こちらのブログでも以前に書きましたが、2026年には「認知症患者が700万人規模に(65歳以上の高齢者の5人に1人が認知症患者に)」(「未来の年表」(河合雅司 著;講談社現代新書)より)という予測があります。
認知症はもはや、他人事などではありません。また認知症にならなくとも、脳血管疾患などに起因する麻痺症状やその他の特定疾患により、介護を必要とする状況に陥らないとは限りません。
「介護」を明確に人生の<リスク>の一つとして捉える決意を持ち、万が一に備えておくことは、「終活」の考え方に沿うものだと確信します。
しかし必ずエンディングノートを使って、何らかの記述を残さなくてはならない訳ではありません。
家族と話し合いの機会を作り、介護についての方向性を決めておく事が、最も必要な事と思います。
だからと言って、エンディングノートに自身の希望を書く事が、全くの無駄というわけではありません。
家族と話し合う機会を先延ばしにしている間に、自分の意思を伝えられない状況に陥ってしまうことも考えられます。そのような時でも、エンディングノートに書いておくことにより、介護のプランを自身の望む方向に導くことが期待できます。
いずれにせよ自分事として情報を集め、普段から考えておくことはとても大事な基本事項と言えるでしょう。
さて、認知症に限らず介護が必要な状態になった場合、介護保険の利用が可能です。
介護保険の利用は、住所地の市区町村への要介護認定の申請から始まります。
自分や家族で行うことも可能ですが、一般的にはケアマネージャーに依頼します。その後の介護プランも、ケアマネージャーと相談の上で組み立てていきます。
申請がなされると、「訪問調査(1次判定)→主治医意見書の提出→介護認定審査会(2次判定)→認知結果の通知→ケアプラン作成→介護サービスの開始」と言う流れを辿って、順次進行していきます。
介護認定には、「要支援」が2段階と、5段階の「要介護」認定があり、その目安は次の通りです。
・<要支援1> 日常の一部に見守りや手助けが必要。
・<要支援2> 日常の基本動作は自分で可能だが、立ち上がりなどに手助けが必要。
・<要介護1> 日常生活の一部に手助けが必要で、歩行などが不安定。
・<要介護2> 記憶力や思考力が明確に衰え、日常の動作にも支援が必要。
・<要支援3> 食事や排せつなどに一部介助が必要。徘徊などの問題行動。
・<要介護4> 日常生活に全面的な介助が必要。意思疎通が困難。
・<要介護5> 日常生活を遂行する能力・理解力の著しい低下。
ケアプランはケアマネージャーにより作成され、その後の介護生活においてもケアマネジャーは大事な伴走者となります。
そのためケアマネージャーの能力、そしてケアマネジャーとの相性が、将来に渡ってとても重要になってきます。
ケアマネージャーに出会うには地域包括支援センターに相談して紹介を受けたり、すでに目当ての施設があればそこに所属するケアマネージャーにコンタクトを取るなどして、まずは話をしてみることをお勧めします。
在宅介護を望むのか、それとも施設での介護を選ぶのかにより、介護計画は大きく変わってきます。ケアマネージャーに相談する前に、在宅か施設かの希望を検討しておいたほうが良いでしょう。
もし在宅介護を望むのであれば、家族の理解と協力が不可欠になります。その意味合いからも家族と事前に話し合っておくことは、欠くことのできない重要なステップになってきます。
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