~デジタル資産の整理~
身の回りの整理の最後に、デジタル資産について考えてみましょう。
皆さんは、「デジタル遺品」という言葉を、お聞きになったことはあるでしょうか?
デジタル遺品とは、一つにはパソコンやスマートフォン、外付けハードディスクやUSBメモリ、DVDなどのデジタル機器に保存されたデータのことです。
もう一つには、インターネット上のデータ貯蔵庫であるDropboxやEvernote、他にもGoogleドライブなどに保管したデータも含まれます。
またSNS(フェイスブック、ツイッター、インスタグラム等)や、もしご自身で所有するホームページやブログなどがあれば、それらのデータも対象となります。
普段は当たり前に使い、すっかり日常生活に浸透しているこれらのデータも、主を失った瞬間から難破船のようにデジタル世界を漂い始めます。
適切な対応を施さない限り、場合によっては永久にさまよい続けます。
それまで「デジタル資産」であったものが、その瞬間から「デジタル遺品」に変わるのです。
「人に見られたくないデータ」、あるいは逆に「伝えたいデータ」など、自分の死後に自分の思い通りのデータ処置ができる準備を、しておく必要があります。
それでは具体的に、どんな事に気を付ければ良いのでしょうか?
データに関しては<削除する>のか<残す>のか、その切り分けは自分にしかできません。
大きく分類してどちらに属するデータか、それをいつも意識しておく事は、普段の心がけとして大事なことです。
またSNSやホームページ、ブログ等についても、自分の死後どうして欲しいのかを家族に伝えておかないと、残された家族はどう対処してよいか分からず、困ってしまうことになります。
最近はネット銀行やネット証券も、多く利用されています。
ネット銀行やネット証券は通帳等がないため、後々見落とされる可能性もあります。
最低限どこに口座を持っているのか、一覧表にしておくことは有効なことです。
それでは次に、どのように対策を準備しておくかについて、具体的に話を進めていきましょう。
「伝えるべきデータ」と「削除するデータ」を区別して、別々の記憶媒体に保存しておくことをお勧めします。
そうする事によって、将来の適切なデータ処置が期待できます。
そして「削除するデータ」の方は、自分でマメに消しておく必要があります。
(もし不可能であれば、守秘義務のある専門家に相談してください。)
SNSやホームページ、ブログ、インターネット上のデータ貯蔵庫などについては、IDとパスワードの記録を残しておきます。
その上で個々にどうして欲しいのか、希望を書き残しておいてください。
自分の意思を書き記す事により、残された家族の心の負担が軽減します。
それから気を付けたいのが、メルカリやYahoo!オークション、または自己が開設した物販のホームページなどです。
注文を受けたまま放置されているような事態に陥らないよう、商品の取り下げやホームページ閉鎖など、対応を忘れてはいけません。
※デジタル遺品に関しては、当事務所で監修をしたwebマガジンに分かりやすく解説があります。
ぜひ次の記事(2018/7/19)も、ご参照ください。
TIME&SPACE(KDDIがお届けするIT×カルチャーマガジン)
「スマホやパソコンに残る『デジタル遺品』今からできる遺族の対処法は?」
https://time-space.kddi.com/it-technology/20180719/2386
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